好きすぎた、たぶん。
「あ、いいよ。この辺で。」
「え、ここ?」
「うん。ちょっと寄ってくとこあっから。」
「あ、そう。停めれそうなとこで停める。」
俺らの生まれ育った街から潤の運転で東京に戻ってきた。
家まで送ってってくれるつもりだったらしいけど、違うところで降ろしてもらった。
田舎に帰ってあの頃の自分が見えたところで、もう一回会おうと思った。
あの頃の自分に。
あまり思い出したくない自分ではあるけど、そうすればもっと夢みてた気持ち、思い出せると思って。
勇気が持てる気がして。
潤の車を降りて、少し歩いてデカい高層マンションに向かう。