好きすぎた、たぶん。
気付いたら詩織ちゃんに話してた。
6つ近く離れてる子に何かっこ悪いこと話してんだろうとは思ったけど、なぜか聞いてほしかった。
「“MOON”は初めて会社の曲じゃない俺の曲でさ、1位取れた時、すげぇ嬉しかったんだ。聴いてくれる人がいるなら何位でもよかったんだ。“tears”もそう、俺の曲。でも、1位取れなかった時、6位っていう順位にはもちろん悔しかったけど、でもそれ以上に自信がなくなった。」
「・・・・・・」
「俺なんてダメだって言われてるような気がして。」
「・・・そんな・・・」
「もう真っ暗になって曲も思い浮かばないし、どうしていいのかわかんなくて。俺から音楽取ったら何もねぇし。それにずっと考えてたんだ、俺らが抱いてた夢って何だったんだろうって。」
「・・・・・・」
「俺の夢はファッション雑誌でモデルすることじゃない。ドラマに出て俳優気取りすることでもない。恋愛観を語りたくて芸能界に入ったんじゃない。俺は歌を歌いたいんだってずっと思ってた。でもやっと歌えた俺らの歌で順位落ちて、もう夢が何かもわかんなくなってた。」
「・・・・・・」