好きすぎた、たぶん。
「だけど、今回のことでわかったんだ。俺は純粋に音楽が好きだった。重要なのはそれだけだって。やっとあの頃の気持ち思い出せた。」
俺はそう言いながら、無意識に詩織ちゃんの手を握っていた。
「もう1回、頑張ろうって思った。純粋に音楽を楽しもうって思った。結果がついてくるかはわかんない。だけど後悔はしたくないからさ。」
「・・・・・・」
「でも、詩織ちゃんに今聴いてもらって、自信が持てた。この曲で勝負してくるよ。ありがとう。」
「・・・いえ・・・」
「ごめんね、こんな話聞かせて。」
「・・・いえ・・・」
「ありがとう、詩織ちゃん。」