好きすぎた、たぶん。
高校を卒業してから2週間後、俺と潤は上京した。
武司にももちろんこのことは話したけど、あいつは地元の専門学校に行くことにした。
あいつはなりたいもんがあったから。
東京に来た俺と潤は、小さい安アパートに2人で住んで、バイトして。
バンドというよりは、ギターデュオみたいな感じでとりあえず、活動した。
バンドメンバーを探しながら。
路上で歌って。
そんな生活があっという間に1年続いて、健吾が上京した。
「俺もNUTSだ」って言って。
それからまた1年後、和樹と武司が上京した。
和樹は、「置いてかないでよ」って。
「僕も音楽で食べて行きたい」って言ってくれた。