好きすぎた、たぶん。


確かに杉原さんの言う通り、今の咲にあの頃ほどの勢いがあるかと言われたら、決してあるとは言えない。



俺が自分達が飽きられることを恐れたのは、そんな咲を同じ事務所で近くで見てたからっていうのもあった。



「わかりますけど、それと俺関係なくないっすか。」


「だからお前に曲作ってやってほしいんだよ。」


「・・・・・・」


「1回でも写真撮られた男に曲作ってもらえば、話題性は抜群だろ?」


「・・・それは杉原さんの提案なんすか?俺とやろうってのは。」


「いや、この間咲と話したんだ。今後のこと。あいつは確実に仕事は減ってるし、このままじゃヤバイ。そこでどうしようか考えてる時に、咲が言い出したんだ。」


「咲が?」


「あぁ。可威となら絶対売れるって。」



< 425 / 880 >

この作品をシェア

pagetop