好きすぎた、たぶん。
確かに杉原さんの言う通り、今の咲にあの頃ほどの勢いがあるかと言われたら、決してあるとは言えない。
俺が自分達が飽きられることを恐れたのは、そんな咲を同じ事務所で近くで見てたからっていうのもあった。
「わかりますけど、それと俺関係なくないっすか。」
「だからお前に曲作ってやってほしいんだよ。」
「・・・・・・」
「1回でも写真撮られた男に曲作ってもらえば、話題性は抜群だろ?」
「・・・それは杉原さんの提案なんすか?俺とやろうってのは。」
「いや、この間咲と話したんだ。今後のこと。あいつは確実に仕事は減ってるし、このままじゃヤバイ。そこでどうしようか考えてる時に、咲が言い出したんだ。」
「咲が?」
「あぁ。可威となら絶対売れるって。」