好きすぎた、たぶん。


「可威?」


「あれだよ、あの…」



ガチャ。



またスタジオのドアを開ける音がしたと思ったら、今日は最悪についてないらしく、夏実が入って来た。



「え?」



入口付近に立ったままだった健吾の連れてる詩織ちゃんを見て、ハテナ顔を見せた。



…最悪…



「え、どなた?」


「悪い、俺のダチの妹でさ。親と喧嘩して家飛び出たけど行くとこねぇとか言って俺んとこ来てさ。この子、家送ってくるから、先練習してて。ごめん。」


「え?あぁ…うん。」


「悪い、じゃあちょっと行ってくる。」



健吾が連れてきた詩織ちゃんの腕を引いてスタジオを出た。



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