好きすぎた、たぶん。


「ごめんなさい、私…」



車に戻ると詩織ちゃんが泣きそうな顔で必死に謝って来た。



「ううん、詩織ちゃんが悪いわけじゃないよ。健吾が見つけて無理矢理連れてかれたんだろ?俺こそごめんな。こんなとこで1人にさせて。」


「…いえ…あの、大丈夫ですか?」


「大丈夫大丈夫。ごめんね、ダチの妹とか言って。」


「いえ…それは…いいんです…」


「行こうか。」


「…はい…」



この後詩織ちゃんを家に送って、また俺はスタジオに逆戻りした。



それぞれ出来たばっかのアルバム用の曲を練習する。



俺はギター練習しつつ、歌いつつ、曲思いついたらメモって。



練習に入ればみんなそれに夢中だから、詩織ちゃんのことを誰かが話題にすることはなかった。



…あ、そだ。



< 468 / 880 >

この作品をシェア

pagetop