好きすぎた、たぶん。
「夏実。」
スタジオの隅で仕事をしていた夏実を呼んで、スタジオの外のうるさくない場所へ移動した。
本当は何か言われるのも嫌だし、2人になりたくなかったけど、言いたいことがあったから。
「どしたの?」
「あれ、考えたんだ。モデル。」
「あぁ、京子って人の会社の?」
「そう…、受けるよ。」
「え?」
「受ける。だから、そういう風に進めといて。」
「いいの?プライベートで知ってる人でしょ?」
「わかってるよ。あの人とも話したし、大丈夫。頼むね。」
「…わかった…」
余計なこと聞かれない内にスタジオの中に戻って、また練習を始めた。