好きすぎた、たぶん。
最初は「こんな私の話、つまらなくないですか?」って言ってたけど、俺の中では何もつまらなくなかった。
俺がよく行く公園で見る何気ない日常の風景が刺激的なことと同じ様に、詩織ちゃんの何気ない日常の会話が俺にとっては新鮮で。
それに、やっぱり何でかわかんないけど、詩織ちゃんのことを知ろうと思った。
知れて嬉しいと思う自分がいた。
普通にプライベートで来たことはないんじゃないかっていう遊園地は意外と楽しく過ごせた。
乗り物とかそういうことじゃなくて、普通に詩織ちゃんといることが楽しいと思えたような気がして。
気付くともう夕方になってて、人気も少なくなってきていた。
「どうする?なんか土産物屋みたいなの行く?」
「あ、じゃあ行く前に最後にもう1つ乗りたいのあるんですけど・・・」
「何?意外と乗り物好きだね、詩織ちゃん。」
「観覧車・・・乗りたい・・・です。」
「うん、わかった。行こう。」