好きすぎた、たぶん。
待ち時間もなく、大して乗る人も他にはいなかった。
まぁ平日だしね、今日。
「わぁー!!すごいいいタイミングでしたね!!」
観覧車に乗ると、ベストな位置に綺麗な夕焼けが見えた。
それを見た詩織ちゃんは、また向かい側に座る俺に満面の笑顔を見せた。
「よいしょ。」
「え?」
詩織ちゃんの隣に移動した。
「どうしたんですか?」
「別に?なんか向かいに座ってるのも寂しくない?よくドラマとかでこうしてるじゃん。」
「ハハ、そうですね。」
詩織ちゃんと2人きりの空間で、しばらく夕焼けを見ていた。
普段景色に感動したり、そんなロマンチストな俺ではないけど、でも今日は見ていたかった。
ビックリするくらいに、詩織ちゃんと見た夕焼けから音が生まれた。