好きすぎた、たぶん。
「どこまで。」
「○○町まで。」
「○○町、はーい。」
仕事終わり、俺は移動車でもなく自分の車でもなく、タクシーに乗った。
仕事場から少しだけ離れたところで。
ライブが終わってから、もう1ヶ月近く経つ。
今日はそのライブのお礼を兼ねて、京子さんと会う約束をした。
たまたま今日は自分の車で来れなくて、でも仕事の移動車で京子さんちの近くで降ろしてもらうわけにもいかなくて。
京子さんの存在自体は、メンバーも夏実も知ってるけど、今でも体の関係があることは知らない。
特に夏実には知られちゃまずい。
何言われるかわからない。
こないだの今日じゃ、俺はもうどうしようもないから。
ピーンポーン。
タクシーから降りて、マンションのチャイムを鳴らした。
オートロックが開いて、エレベーターに乗りこむ。