好きすぎた、たぶん。


京子さんが俺らのライブに来てくれたのは、デビューしてからは初めてで、俺的にも見てもらえることは嬉しかった。



それからもっと早く会おうって言ってたんだけど、お互い忙しくて。



それで1ヶ月近くも経っちゃった。



「なんか久しぶりだね。ちゃんと会うのは。」


「そうだね。」


「こないだはあたしが一方的に見てたから。」


「俺も気付いたよ、ちゃんと。」



また今日もソファの定位置に座る。



「お夕飯は?食べた?」


「うん。京子さんは?」


「あたしも食べたの。」


「そっか。」


「でも、本当によかったよ、ライブ。もう1ヶ月経っちゃったけど。」


「そう?ありがとう。」


「うん。なんか感動した。可威はもうこんなになったんだなって。」


「うん。」


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