好きすぎた、たぶん。


「ほら、おいで。」


「子供じゃないんだけど、あたし。」


「はいはい。」



俺と向かい合うようにベッドに座らせて、髪の毛を乾かしてあげた。



「女って大変だな。」


「何が?」


「乾かすのにも時間かかるじゃん。」


「まぁね。」


「めんどくさくならない?」


「なるよ。ってかめんどくさいでしょ?あたし自分でやるよ。」


「いいからいいから、今日だけ特別。」


「もぉ、子供じゃないのに・・・」


「でも嫌いじゃないでしょ?こういうの。」



俺がそう言うと、何も言わず京子さんが抱きついてきた。



「そんなくっついたら髪の毛乾かしづらいよ。」


「もう乾いたよ。」


「そう?もういいの?」


「うん。」



抱きつかれたままドライヤーの電源を切った。



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