好きすぎた、たぶん。
他の実行委員の子達も芸能人が来たからなのか、尋常じゃないくらい緊張してます的な雰囲気がすごいけど、詩織ちゃんからもその雰囲気がすごかった。
まぁたぶん俺らが来たことへの緊張じゃなくて、俺とのことがバレないようにの緊張だろうけど。
俺もすぐに詩織ちゃんから目を逸らしてしまったけど、逆に怪しくない?ってくらい、詩織ちゃんは俺の方を見なかった。
この後、文化祭実行委員の担当の先生らしい男の人が来て、生徒達の自己紹介をされた。
自己紹介っつっても名前言うだけだけどね。
「じゃあ手短に、名前だけ。」
そりゃそうだ。
こんなとこで趣味言われてもね。
委員長の男の子から始まっていって、覚えられるわけないけど、一応みんなの名前を聞いた。
「じゃあ、次。」
「実行委員2年の森野詩織です。よろしくお願いします。」
・・・・・・実行委員2年か・・・
制服姿の詩織ちゃんは、別にめずらしくない。
高校生の女の子だってことも、十分わかってる。
だけど、なんかそこに引っかかった。