好きすぎた、たぶん。
「・・・どうしたの?」
見渡しても誰もいないのに、無意識に声が小さめになる。
「集まっちゃってる生徒はけさせるのに、さっき行った委員だけじゃ足りないから行ってって。」
「そっか。ごめんね。」
「いえ。」
どうしてだろう。
制服姿の詩織ちゃんと話すことなんて、よくあるのに。
なんだか今日は、いつもの詩織ちゃんとは違うような気がした。
詩織ちゃんと話してるはずなのに、別人のようだった。
「・・・じゃあ。本当に今日はありがとうございました。」
「・・・詩織ちゃん。」
「はい。」
「バイト?今日。」
「あ、はい。」
「そう、じゃあ迎え行く。」
「え?」
「じゃあね。」
詩織ちゃんの返事も聞かず、教室に戻った。