好きすぎた、たぶん。
「バレなきゃいいんじゃない?」
「…あんたね、バカにしてんの?」
「別に付き合ってるわけでもねぇんだし。」
「世間は一緒にいればそう取るわよ。」
「……」
「それに、付き合ってないことの方がバレたら記者にしては面白いことなの、わかるでしょ?KAIが18歳の女の子捕まえて遊んでるなんてこと書かれてみなさいよ、あんたそれでも自分は大丈夫とでも思ってんの?」
「……」
「あの子はあの子の生きる世界がある。可威には可威の生きる世界がある。別の世界なの。」
「……そうは思わないけど。」
確かに違う。
生きる世界は違う。
それはわかってる。
俺は芸能人だし、詩織ちゃんは一般人の高校生で。
だけど、どこかでそう思いたくなかった。
「いいわね、もうあの子とは会うのはやめなさい。」
「…嫌です。」