好きすぎた、たぶん。
「確かに写真撮られてたあの日、咲はここに来てた。でも、記事は本当じゃないから。」
「・・・・・・」
「前は付き合ってたのは本当だけど、復縁なんてない。付き合ってないんだ。」
「・・・・・・」
「咲に告白されたんだ。」
「・・・え・・・?」
「まだ好きだって。」
「・・・・・・そう・・・なんですか・・・」
「でも断った。俺の中では終わったことだって。」
「・・・・・・」
「詩織ちゃんは自分は俺の気まぐれって言ったでしょ?」
「・・・・・・はい・・・」
「違う、気まぐれじゃない。」
俺はそう言って詩織ちゃんを自分の方に向けた。
「俺が詩織ちゃんとキスしたりセックスしたりするの、気まぐれじゃないよ。」
「・・・・・・」
「見て、これ。」
涙を浮かべる詩織ちゃんに、俺は右手を差し出した。