好きすぎた、たぶん。


「確かに写真撮られてたあの日、咲はここに来てた。でも、記事は本当じゃないから。」


「・・・・・・」


「前は付き合ってたのは本当だけど、復縁なんてない。付き合ってないんだ。」


「・・・・・・」


「咲に告白されたんだ。」


「・・・え・・・?」


「まだ好きだって。」


「・・・・・・そう・・・なんですか・・・」


「でも断った。俺の中では終わったことだって。」


「・・・・・・」


「詩織ちゃんは自分は俺の気まぐれって言ったでしょ?」


「・・・・・・はい・・・」


「違う、気まぐれじゃない。」



俺はそう言って詩織ちゃんを自分の方に向けた。



「俺が詩織ちゃんとキスしたりセックスしたりするの、気まぐれじゃないよ。」


「・・・・・・」


「見て、これ。」



涙を浮かべる詩織ちゃんに、俺は右手を差し出した。



< 726 / 880 >

この作品をシェア

pagetop