好きすぎた、たぶん。
「ごめん。」
「・・・え?・・・あっ・・・」
「今日は苦しくても止まんない。」
「・・・・・・可威さん・・・」
俺達は幾度となくキスをして、幾度となくお互いを求めた。
そして俺はその間中、片方の手だけだけど、ずっと詩織ちゃんの手を握っていた。
うまいことは言えない。
「気まぐれじゃないよ」って言いながらも、じゃあ何かは言えない。
わからないし。
気まぐれではない。
でも彼女でもない。
かと言ってセフレともなんか違う。
けど友達ではない。
ありえない。
安心させてあげる言葉の1つも、言ってあげられない。
だけど、俺の全部だった。
今俺の思うことの全部だった。