好きすぎた、たぶん。


まだそん時は親父が持ってきた金で生きてたけど、そういうものを見てたから、ガキの頃から女は好きになるものという考えがなかったのかもしれない。



付き合った女もいたけど、どれも好きじゃなかった。



みんなが付き合ってるって言うから、俺もじゃあするか、みたいな感じで。



その頃からそんな考えをしてたから、大人になったら変わったみたいな、そんな生ぬるいもんじゃなく、今でも全く変わらない。



なのにね。



何がどうなったんだろう、俺は。



今まで生きてきた俺が培った考えと、最近になって生まれた得体のしれない感情で頭の中がわけわかんなくて、大して寝れずに朝を迎えた。



寝てはないけど閉じていた目を開けると、俺の腕の中でスヤスヤ寝てる女の子。



女というより女の子。



こんなまだ高校生の女の子に俺は確かに思った。



好きなのかもしれない。



思い当たる節は十分にある。



いくら女を好きになったことがなくても、人間だったら分かる。



詩織ちゃんに対して、こう思った。



そう思ったのはなぜか。



普通に考えたら思いつくのは1つしかない。


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