好きすぎた、たぶん。
朝っぱらから1つになって、この後も俺が仕事で出かけるまで2人で馬鹿みたいなじゃれ合っていた。
2人でっていうか、俺が一方的にちょっかい出してたような気もするけど。
「ごめんなさい、また送ってもらっちゃって。」
「いいえ、全然。」
「お仕事、間に合いますか?」
「余裕余裕。」
「じゃあ、頑張ってください。」
「ありがと。」
仕事に行く前にいつものように詩織ちゃんを車で送る。
いつも詩織ちゃんは俺に申し訳なさそうにするけど、俺の中では若干詩織ちゃんと会ったら当たり前みたいになってて、何とも思わない。
「また連絡するから。」
「はい。」
そう言って笑顔を見せた詩織ちゃんの頭を無意識に撫でた。
「今日はこれだけね。」
「え?」
「バイバイのチューはなし。」
「・・・誰もそんなこと言ってないですよ。」
「そう?俺は出来なくて残念だけど。今日は人通りある時間だからね。」