好きすぎた、たぶん。


「やるねぇ、色男。」


「お前酔ってんの?」


「酔ってねぇよ。仕事場に酒ひっかけてこねぇって。」


「あそ。」


「でも咲と終わったんじゃなかったっけ?」


「とっくに終わってるよ。」


「でも会ってんだ、知らんかった。」


「あいつが勝手に来ただけだよ。」


「わかるわかる、わかるよ可威くん。」


「何が。」


「モテる男はつらいよね。」


「・・・・・・なんかお前と話してると、自分がアホに思えてくる。」



気楽だなぁ、こいつは。



っつーか軽いんだな。



昔っからだけど。



いいとこでもあるけど、面倒でもあるとこだな、健吾の。



この後写真撮影があって、インタビュー録り。



音楽誌じゃない雑誌にしてはめずらしく、あんまり恋愛系の質問がなかった。



夏実が止めたのかな。



まぁ撮られたばっかですからね、はい。



すいません。


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