好きすぎた、たぶん。


インタビューの録りが俺は2番目で、終わって楽屋に先に戻ると、1番手だった潤はいなくて後から夏実が来た。



あれ。



潤いない。



トイレか。



「可威。」


「ん?ってかあれ、お前あっちいなくていいの?」


「ちょっと話あって、可威に。」


「何?」



なんとなーく夏実の雰囲気と顔と声のトーンで言われることはわかってたけど、とぼけた。



「しつこいのはわかってるけどさ。」


「うん。」


「こっちはあんたがわかってくれるまで、言うしかないの。」


「・・・・・・何を?」


「あの子のことよ、わかってるでしょ。」



やっぱり。



正解です。



撮られた咲のことではなく、詩織ちゃんのことでした。



「本当にあんた、やめなさいよ。」


「・・・・・・」


「咲と関係がないのはわかってる。それはもう何も言わない。でも、本当にあの子とはもう会うのやめなさい。」


「・・・・・・」


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