好きすぎた、たぶん。
・・・何だろう、話って。
ってか!!
今気付いたけど、家族知ってんだ、俺とのこと。
言ってないって言ってたのに。
まぁいいんだけど、知られてんのは。
でもちょっと驚き。
なんだろう・・・
色々考えながら走ってると、家の前でお兄さんらしき人が立ってた。
お兄さんの前で車を停めて、助手席側の窓を開けた。
「・・・あ、すいません、忙しいのに。」
俺の顔を見ただけでまだ名乗ってないけど、俺ってわかったらしい。
知ってくれてるんだ、俺と詩織ちゃんのことの前に、俺のこと。
「あ、いえ。お兄さんですよね?」
「はい。」
俺もあんまり時間ないし、そんなに長くないみたいなこと言うから、お兄さんが助手席に乗って近くの空き地に停めて話すことにした。
「すいません、急に妹の携帯で電話して。」
「あ、いえ。」
「電話でも言いましたけど、詩織の兄の森野雅明です。はじめまして。」
「矢神可威です。はじめまして。」