好きすぎた、たぶん。
いくつの頃だろう。
作曲ってどういうところから作曲っていうかわかんないけど、俺が作ってNUTSに初めて演奏してもらった曲。
だから高校生くらいの時だね。
でも正確には小6くらいの時に俺がテキトーに作って歌ってた曲。
自然と音が思い浮かんできて、テキトーな歌詞で。
俺がそんな風にして歌ってたのは、潤しか知らない。
潤はいつも俺が歌うこの曲を、隣で聴いてくれてた。
このギターで夢を見つけて、このギターで夢を追いかけた。
このギターで練習して、このギターで今の位置を掴んだ。
俺の人生そのもの。
そして俺は今、音楽の世界にいる。
懐かしい曲を弾き終えて、さっきまでとは別人かのように曲作りに集中した。
昼くらいからいたのに気付けば夜になっていて、潤と別れてスタジオを後にした。
そのまま詩織ちゃんち方面に向かって、いつも送る時に降ろす空き地で詩織ちゃんを乗せた。
「ごめんなさい、急に。」
「ううん。全然。」
いつものように俺んちに着いた。