好きすぎた、たぶん。
「あの、可威さん・・・」
「ん?」
「あの、すいませんでした。」
「え?」
「こないだ兄が勝手なことして・・・」
「あぁ、知ってたんだ。」
「あの日学校から帰って携帯見たら発信履歴が残ってて。」
「そっか。」
「お兄ちゃんから全部聞きました。本当すいません、なんか勝手なこと言って・・・」
「ううん。詩織ちゃんが謝ることじゃないよ。」
「いえ・・・」
リビングに入った途端立ったまま謝ってきた詩織ちゃんをソファに座らせて、俺は隣には座らずにパソコンの前に座った。
電池がなくなりかけてた携帯をポケットから出して充電器に挿してから、煙草に火を点けた。
煙草を吸うと同時に、少し大きめの深呼吸をした。
むせるんですけどってくらいに。
でもそれほどに、気持ちを落ち着かせたかった。
気持ちを、決めたかった。