好きすぎた、たぶん。


俺らは他の大賞候補のアーティストさん達と一緒に客席に座っている。



まぁお客さんの中に混じってるわけじゃないけど。



みんな本当に売れてる人達で、事務所は違うけど業界的には先輩ばかりだった。



若干肩身狭いけど、でも素直に喜ぼう。



ここに座らせてもらってることに。



こんなすごいアーティストさん達と一緒に座らせてもらってることに。



「それでは!!いよいよ発表に参りましょう!!!」



テンション上がりすぎて若干声裏返ってる司会者の人がそう言った。



会場中に緊張が走る。



でも俺は失礼だけど、緊張はなかった。



選ばれるわけないと思いすぎて。



だってありえないよ。



こんなに他のアーティストさん、すごいんだよ。



「第○回!!日本!!レコード大賞は!!!!!」



ドラムロールと共に照明がぐるぐる回る。



ジャジャンッ!!!!













「NUTCRACKERで“For You”!!!!!!!!!!!!!!!」



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