好きすぎた、たぶん。
音が鳴り止んだと同時に照明が俺らに止まり、代わりにどでかい拍手の音が襲ってきた。
・・・・・・・・・・へ??????
ガキの頃から見てた番組でもある。
この番組は。
いろんな大賞を受賞したアーティストを見てきた。
みんな名前が叫ばれて照明が止まった途端立ち上がり、ガッツポーズをする人だったり涙が流れる人だったり抱き合う人だったり、喜び方は様々だった。
でも、マジで全く予想もしてなく心の準備もしてなかった俺は、おかげで乗り遅れた。
自分達の名前と、自分が作った曲名が叫ばれたことも信じられず、メンバーが立ち上がったから俺も立ち上がりはしたけど、すげぇ顔がまぬけだと思う。
え、え、え、俺ら!?
大賞が!?
えぇぇぇぇぇ!?!?!?
え、夢!?
いや夢じゃない。
一気にすごい台数のカメラが寄ってきてるし、周りに座ってたアーティストさん達もみんな笑顔でこっち向いて拍手してくれてる。
バシッ!!
痛っ!!
呆然としてると隣にいた潤に背中を叩かれた。