好きすぎた、たぶん。


「やったな。」



いつもクールで冷静な潤が笑顔でそう言った。



そんな潤を見て初めてやっと実感が湧いた。



俺ら・・・



俺らが取ったんだ。



大賞・・・



右側にいた潤から視線を左側に移すと、健吾も和樹も武司もみんな笑顔を見せて喜んでいた。



本当なんだ。



本当に取ったんだ、俺らが。



「NUTCRACKERのみなさん、どうぞステージへ!!!」



司会者の人にそう言われて、客席からステージへ上がる。



「ではKAIさん、いかがですか、今の気持ちは。」



そうだよ。



こういう時最初に聞かれんの俺なんだよ。



呆然としてる場合じゃねぇよ。



「・・・いや、なんか信じられないです。」



一般人か!!っていうコメントしか出来なかった。



もっと心の準備しとくべきだったな・・・





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