好きすぎた、たぶん。


「久しぶりだね。」


「うん。」


「あけましておめでとう。」


「おめでとう。」



ガラにもなく正月の挨拶を済ませて、家に入った。



今年もまたいつもの定位置に座る。



「なんか変な感じだね。可威がこんな時間にここにいるの。」


「そうだね。」



まだ昼。



いっつも会うのは夜だったから。



「おめでとう、レコード大賞!!」


「ありがとう。」


「私NUTSが候補入ってるっていうから、ちゃんと見てんだよ?」


「そうなの?めずらしいね。」


「取れるような気がしてたから。」


「ハハ。すげぇ勘だね。」



京子さんとソファに座って、特に何をするわけでもなく、何気ない話をしていた。



仕事の話はやっぱりしないけど、最近あったこと的な感じで。



俺が話すっていうより、俺は聞いてる感じかな。



お互いのことを話すようになってからは、ずっとそう。



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