好きすぎた、たぶん。
「・・・・・・ありがとう。」
「ん?」
「・・・ありがとう、可威。」
「・・・・・・」
「可威がそんな風に思っててくれたの初めて聞いたし、嬉しい。」
「・・・・・・」
「あたしも可威が好きでいながらも、どこかで弟みたいに思ってたとこもあったから。家族って言ってくれて嬉しい。」
「・・・うん・・・」
京子さんを体から離して、京子さんから溢れ出る涙を指で拭った。
「俺は今まで京子さんにいろんなことで沢山助けてもらってきたから、これからは俺が助けたいと思ってる。仕事の面でもいいし、それ以外の面でも何でもいい。京子さんの力になりたいと思う。」
「・・・うん。」
「恩返しなんてもんじゃないけど、今まで本当に感謝してるから、少しずつ返していきたいと思ってる。」
「・・・うん・・・」
「京子さんと縁を切るだとか、もう会わなくなるなんて思ってない。気持ちに応えることも出来ないし、セックスすることも出来ないけど、こんな俺でもよかったら、力になるから。何かあったらいつでも電話してきて?」
「・・・わかった・・・」
「ありがとう、京子さん。」
京子さんの涙を見て、自分も涙が出そうになった。
でも、最後に笑顔を見せてくれた京子さんを見て、俺も笑って返した。
やっぱりどこまでも、京子さんは大人だな。