好きすぎた、たぶん。
「こっちに置いてある荷物とか、また今度会った時持って帰る。」
「うん。」
「じゃあ、またね。」
「うん・・・・・・また時間あったら連絡してね。」
「うん。」
「頑張って、仕事。」
「京子さんもね。」
「もちろん。」
こんなにも京子さんの家を出るのが、切ない時はなかった。
こんな日が来るとも、思ってなかった。
京子さんと関係が終わる日なんて、来ないと思ってたから。
「・・・じゃあね。」
「・・・あ、待って、可威。」
「ん?」
玄関のドアノブに手をかけようとしたところで止められた。
「可威がその玄関出たら、あたし達は家族になるから。」
「・・・うん。」
「だから今までの関係でいるの、今が最後でしょ?」
「・・・うん。」