好きすぎた、たぶん。
そういう人の涙は、やっぱり見たくなかった。
京子さんが俺のことを好きなの、ずっと前から気付いてたから。
だから余計に、そういう人の傷つく姿を見たくなかった。
それでも俺は京子さんではない人を好きになってしまったから、仕方ないことではあるけど。
京子さんと関係を終わらせて、何をどうしようって思ってるわけじゃない。
俺の中の勝手なけじめ。
もう、誰かと体を重ねることは出来ないと思ったから。
京子さんは勘がいいし、さっきも言ってたけどわかっちゃう人だから、ちゃんと言葉で言った方がいいと思って。
体のどこかが拒否してるのを感じるのは、嫌だと思うから。
自分のことしか考えてないって言われるかもしれないけど、でもこれが俺が考えた中での1番いい別れだった。
正解かどうかはわからないけど。
京子さんの家から自分ちにそのまま帰ってきて、曲作りを始めた。
やっぱりまだ新曲の方が進まなくて。
いくら焦んなくてもいいって言われてても、もうそろそろヤバくなってきてる。
でも、本当にやっぱり浮かばない。
いくつか思い浮かぶものはあってその日その時では出来るんだけど、次の日になって譜面見ると違うなってなっちゃって。
それの繰り返し。