好きすぎた、たぶん。
「・・・よし、じゃあこれでいこう。」
「いいんですか?」
「おぉ。いいよ。」
沈黙の末、OKの返事をもらえた。
「・・・ただ。」
「え・・・?」
「カップリングじゃない。」
「え?」
「さっきのとこれで、両A面でいこう。」
「へ?」
「それくらいの曲だと思うよ、こっちも。」
「本当ですか?」
「おぉ。NUTS初の両A面。いいな。」
「はい!!」
その後はトントン拍子に物事が進んで、レコーディングしたりジャケ写撮ったりPV撮ったり。
あっという間に月日は流れて、新曲発売日を迎えた。
もう詩織ちゃんと会わなくなって半年以上が経つ。
発売日当日は久しぶりにオフじゃなく、雑誌取材だった。
いつものように緊張はするけど、でも緊張する元はいつもと違った。
いつもだったら売れるかな・・・
買ってくれるかな・・・
そういう緊張があった。