好きすぎた、たぶん。
「なんで車?」
「いいから。」
何だろ。
こんなとこで。
夏実はいつも助手席に座ったり運転したりだけど、めずらしく一緒に後部座席に並んで座った。
「どしたの?」
「ずっと言おうと思ってたの。」
「何を?」
「今回の曲、カップリングから両A面になった曲、あの子のこと書いたんでしょ?」
「・・・・・・」
「気付くよ、初めてデモ聴いた時にすぐわかった。」
「・・・うん。」
「本気なんだね。」
「・・・うん。」
「そっか・・・可威にこんな時が来るとはね。」
「・・・ごめん、勝手なことして。」
夏実とは何も話さないで来た。
この曲について。
きっと気付いてるんだろうなとは思ってたけど、なんて夏実に言っていいかもわからなかったから。