好きすぎた、たぶん。
「リーちゃん。久しぶり。」
リーも覚えてたのか、詩織ちゃんが入って来た途端、尻尾を振って詩織ちゃんに寄って行った。
「…見てくれたんだ、テレビ。」
「はい…」
「そっか。」
「…CDも買いました。」
「…ありがとう。」
「……自惚れだったらごめんなさい。」
「え?」
「…初めてあの曲聴いた時、私のこと…歌ってくれてるのかなって思ったんです…」
「……」
「でも可威さん、会わないって言ってたし、違うかなとも思ったんですけど…」
詩織ちゃんはそう言って急に黙ってしまった。
詩織ちゃんの方を見れずにいた俺は変に思ってやっと詩織ちゃんを見ると、目から涙がこぼれていた。
「…詩織ちゃん…」
「…違うかなって思ったんですけど……今日テレビ見たら…指輪……」
…気付いてくれたんだ、俺が指輪してたの…
ふと詩織ちゃんの右手を見ると、詩織ちゃんの指にも変わらず俺があげたお揃いの指輪があった。