好きすぎた、たぶん。
だから、もう後悔するのはやめようって思った。
後悔した方がいい生き方かもしれないけど、それが俺だから。
そんな俺を支えてくれた人がいるから。
全部全部含めて、俺なんだって思う。
詩織ちゃんにもう会わないって言った時、まだこう思えてなかった。
詩織ちゃんに好きだって言ってもらえて嬉しかった。
でも、詩織ちゃんが好きなのは俺じゃない。
確かに俺は詩織ちゃんにNUTSのKAIじゃない俺も見せてきた。
そういう俺で接してきた。
でも、全部は見せてこられなかった。
そういう全部じゃない俺を好きだと言ってくれた詩織ちゃんに申し訳なくなった。
嘘で固めた自分を好きだと言ってくれたことに。
それに、俺はやっぱり芸能人だし、いつでも一番に詩織ちゃんを優先してあげられない。
会いたいって言ってくれても、すぐにかけつけてあげられない時もあるかもしれない。
仕事が忙しくなれば、会えない期間が続くかもしれない。
彼女いるの?って聞かれても、いないって答えるしか出来ないし、詩織ちゃんの存在を認めてあげられない。
咲と撮られた時みたいに、彼女じゃない他の人と一緒にいることだって付き合いである。
そういう人と撮られたりする可能性だってあるかもしれない。