好きすぎた、たぶん。


「初めて可威さんと会って、キス・・・とかした時、ミーハーなとこが自分の中になかったって言ったら嘘になると思います・・・嬉しかったし・・・でも・・・可威さんが・・・“tears”がリリースされて、私に自分のことを話してくれた時くらいから・・・ずっと・・・芸能人としてじゃなく・・・ずっと好きでした・・・」


「・・・・・・うん・・・」


「可威さんが私にデモテープ聴かせてくれたのも嬉しかったし・・・私の為に仕事頑張るって言ってくれたことも嬉しかった・・・デートしてくれたのも、指輪買ってくれたのも・・・会えなくなるってわざわざ連絡くれたのも・・・ライブの後ホテルに呼んでくれて・・・追い返されちゃったけど、すぐ会って俺の言葉信じてって言ってくれたのも・・・可威さんが私にしてくれたことも、言ってくれたことも・・・全部嬉しかったんです・・・」


「・・・うん・・・」


「それに・・・可威さんが私の学校の文化祭出てくれた後、寂しかったって言った時・・・本当は・・・私も寂しかった・・・学校で見た可威さんは・・・いつもの可威さんと違って・・・やっぱり遠い人だって思い知らされたような気がして・・・・・・だから可威さんにバイトの後会おうって言われて嬉しかったんです・・・私も寂しくて・・・早く私にいつも会ってくれてる可威さんに・・・会いたかった・・・」


「・・・・・・」


「咲さんと2回目に写真載ってた時も・・・本当は・・・怖かったんです・・・私なんてもういらない・・・会わないって・・・言われる・・・気がして・・・」



ずっと涙をこらえて俺に話してくれてた詩織ちゃんだったけど、だんだんまた涙がこみあげてきてるのがわかって、そんな詩織ちゃんを見てるのがつらくて、俺はまた詩織ちゃんを抱きしめた。


「・・・でもすぐ・・・違うって言ってくれて・・・」


「・・・・・・」




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