知らない世界



その時―‥

『あなた、このままでいいの?』

と、遠くの方から少女の声が聞こえた。



「誰っ!?」

びっくりして起き上がり、
後ろを振り返った。
僕の方へ歩いてくる美少女。


「びっくりさせちゃったならごめん。
 あたしは紗奈(しゃな)。」

黒髪の似合う、
ツインテールの女の子。
クールな印象で超美少女。


「俺は…」

名前を言おうとしたとき、
何故だか自分の名前が出てこなかった。
俺‥なんて名前だっけ……



「…黄々乃陽平(ここの ようへい)」

あっ―…
俺の名前だ‥!


「何で俺が思い出せないのに
 紗奈さんが俺の名前を…」


             
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