記憶のない海
意識は脳の中でハッキリしていた。
あたしは『僕』の中に居るんだけど
映画を観ているような感覚もある。
『あたし』の身体があるのはわかるのに
指先すら動かせない。
──でも怖い!
【どうしてお父ちゃんは助けてくれなかったの!?】
『僕』がその瞬間考えていた記憶ですら、魂には記録されていて
鮮明に思い出せるの!
───見たくない!
体験したくない!
『僕』が死ぬ瞬間を思い出したくない───!
思いきり手に力を入れた途端
まるで金縛りにでもあっていたような身体は動き
『僕』から『あたし』へと意識は戻った。
あたしは飛び起きた。
夢じゃなかった…
意識はあんなにハッキリしていた。
眠って夢を見たのとは違う…。
だけど、まだ心臓も
この身体に血を運ぶ血管もドキドキして
なかなかおさまらなかった。
───これが前世の記憶。
想像していたのよりも、もっとリアルで…
だけど自分の魂が知っていて、違和感なく信じられる。
これがあたしの
ルーツの欠片。
あたしは『僕』の中に居るんだけど
映画を観ているような感覚もある。
『あたし』の身体があるのはわかるのに
指先すら動かせない。
──でも怖い!
【どうしてお父ちゃんは助けてくれなかったの!?】
『僕』がその瞬間考えていた記憶ですら、魂には記録されていて
鮮明に思い出せるの!
───見たくない!
体験したくない!
『僕』が死ぬ瞬間を思い出したくない───!
思いきり手に力を入れた途端
まるで金縛りにでもあっていたような身体は動き
『僕』から『あたし』へと意識は戻った。
あたしは飛び起きた。
夢じゃなかった…
意識はあんなにハッキリしていた。
眠って夢を見たのとは違う…。
だけど、まだ心臓も
この身体に血を運ぶ血管もドキドキして
なかなかおさまらなかった。
───これが前世の記憶。
想像していたのよりも、もっとリアルで…
だけど自分の魂が知っていて、違和感なく信じられる。
これがあたしの
ルーツの欠片。