彼と彼女と彼女と彼と
「…ねっ、徹平!!あたしの誕生日は何くれる?」


奈々はパッと笑うと徹平の腕に自分の腕を絡めさせた。


「おわっ、何だよ急に」


「えへへ~甘えてみた~」


「なんだ奈々。キモいぞ」


「…ひっどーい!でもどうせ郁美だったらキモいなんて思わないんでしょー」


「ぇえっ!!い、いや、そ、そりゃあ郁美と奈々じゃ違うだろ!!」


「まぁそこは認めるわよーだ。郁美は美人だし、いい子だしね!!」


「お前もいい子だぞ?顔は郁美と比べるとかわいそうだけど」


「むかつくー!!」


…なんか、いいなぁ。


こんな風になんでも言い合えたら。


私、実はこういう関係も憧れてた。



< 13 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop