彼と彼女と彼女と彼と
しばらく歩いていると、郁美と恭の姿が見えた。


「お、いたいた」


徹平は嬉しそうに近づいていく。


少しだけゆがんでしまった顔。


あたしは笑顔に戻すのが得意になってしまった。


「おっす!!恭!!郁美!!」


「おはよー」


いつも通り挨拶する。


するといつも通りの返事がきた。


「…おー」


「…おはよ」


この2人はクールだ。


はしゃいだり、わめいたりなんて全然しない。


…だからかな。


徹平にはあたしの方が似合ってるって、思うんだ。


そして、郁美には恭が…って…


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