眠る心
「違う、遊びなんかじゃない
 
 ごめん・・・」

俺は震える、なぎを必死に
抱きしめた。

俺は、自分の弱い部分
全てを彼女に打ち明けた。
  
俺の中に頑に閉ざして
開く事のなかった心の声を

なぎは、ずっと何時間でも
聞いていてくれた。

14歳でたった一人の肉親を
亡くした俺・・・

少年の俺は、誰にも
甘える事もできず

誰かの事を、羨ましく思う
気持ちに耐えられなくて
自分の奥底に潜む
弱い部分とずっと戦っていた。

強くならなければいけない。

一人でも生きて
行かなければならない。

俺の幼い心は、やるせない
気持ちでいっぱいになる。
 
「かわいそう」

そう言われる度に、俺の心は
みじめな気持ちになって行く。
< 149 / 236 >

この作品をシェア

pagetop