眠る心
「放してよ・・・

 しゅうちゃん」

俺は靴を履く、なぎを
後ろから抱きしめた。
  
「抱きしめるなんて
 ずるいよ」

振り返った、なぎは
俺の胸におでこを寄せて
俺に甘えてみせた。

「ごめん」

俺は、なぎも仲間も
同じくらい大切で
どうしたらいいのか
身動きが取れずにいた。

「しゅうちゃん

 寂しいよ」

いつも何も言わずに
俺の好きなようにさせてくれた

なぎの、心の悲鳴・・・

「なぎ

 どこにも行かないよ」
< 152 / 236 >

この作品をシェア

pagetop