眠る心

おかえり

東京公演、当日・・・

会場内、チケットを手に
席を探す。

「なっちゃん、ここだわ」

先に席に入ろうとした私の肩を
繭ちゃんは叩いた。

「待って待って
 お姉ちゃんが先に入るから」

「うん・・・」

私の席からは、貴方の姿が
きっと、とってもよく

見えるだろう。

センターの三列目で
私は、貴方を見つめる。

「ドキドキするね
 あっ、なっちゃん
 携帯電話のスイッチ切ってね」

「うん」

私は、緊張で胸が苦しい。

ドキドキ・・・
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