眠る心
柊雨の運転で彼の家へと
向かう。
 
車内は、司と繭子と利奈が
今夜のパーティーの事で
話をしていた。
 
柊雨は黙ったまま運転に
集中している。

貴方は、紛れも無く

ステージに立っていた人・・・

あの会場に居た、皆が

憧れて止まない人・・・

貴方の横顔を私は見つめる。

貴方と目が合った。

貴方は微笑む・・・

私の胸は、ドキドキで
壊れてしまいそう。

それから、私は車の窓を開けて
流れる外の町並みを、ずっと
見ていた。

柊雨さんのマンションの
傍まで来た時、その風景は
眺めた事のある
どこか懐かしい風景に変わる。
 
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