眠る心
でも、私の知っている
カーテンとは色が違っていたり
コップも全てが新しい物に
なっていた。

それは、全て柊雨が凪子が
混乱しないように
部屋の中から凪子の
使っていた物、知っている物
全てを隠した為だった。
 
しかし、玄関に置いてある
スリッパの事までは
柊雨も全く気がつかなかった。

「なっちゃん
 診察で疲れたでしょう?

 大丈夫、ちょっとソファー
 で横にならせてもらう?」

「ううん、大丈夫」

それから、少し時間が経って
柊雨と司は、一旦、仕事へ
向かう為に部屋を出て行く。

繭子は、今夜のパーティーの
お祝いケーキを作る為に
キッチンに立っていた。
  
忙しそうな繭子の姿をみて
手伝う為にとなりに立ち
腕をまくる凪子。
< 166 / 236 >

この作品をシェア

pagetop