眠る心
俺は、事務所に頻繁にかかる
雑誌の取材依頼
 
事務所や俺のマンション前で
待機するテレビ局の報道陣
から身を隠す為に
 
しばらく、部屋には戻らず
ホテルで過ごす事になる。

何も語らなければ、この騒ぎも
いつか治まるはず。
 
そう思っていた。

「また、当分は
 逢えなくなりそうなんだ」

俺は電話で事情を説明し
なぎに、そう告げた。

「しかたないね
 アルバムの発売も
 もうすぐだから
 しゅうちゃんの声を聞いて 
 騒動が治まる日を待ってる
 しゅうちゃん、あのね・・」

なぎの電話の声が途絶えた。
 
「ううん、いいの
 何でもないから・・・」

「キスの事、気になるよな?」
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