眠る心
俺は、そのまま、新しい
アルバムを引っ提げての
ツアーに突入して

なぎとは、相変わらず
逢えない日々は続いていた。

しかし、将来を誓いあった事で
お互いに不安な気持ちなど
いっさい無く

俺の部屋には、彼女の物が
増えて行く。

その後も、俺達は
ずっと二人で一緒に
歩いて来た。

結婚については
口約束を交わしただけで
具体的な事は何も決めて
いなかった。

俺の腕の中で、安心して
眠り続ける、なぎ。
 
そんな彼女の姿を見ている
だけで、俺の心は満たされる。

眠る彼女の耳元に俺は囁いた。

彼女は目を閉じたまま
とても嬉しそうに微笑み
 
窓から差す朝陽に
眩しそうに目を開き
 
なぎは、俺に
優しいキスをくれた。
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