眠る心
それから繭ちゃんが戻った後も
柊雨さんは私の方を見る事は
なく、沈黙は続き、病棟内に
面会の終わりの時間を告げる
放送が流れる。
「しゅうちゃん
そろそろ行きましょうか?」
「・・・そうだね」
帰る支度を始める柊雨は
暗い赴きで深く帽子を被る。
「なっちゃん
明日は、お姉ちゃん
会社に顔を出してから来るから
いつもよりも少し遅いけど
待っててね」
「うん」
「しゅうちゃんは、明日は
いつ頃、来れそう?」
繭子の問いかけに、柊雨の
顔が暗くなる。
「俺、明日は、無理かも
・・・
急の仕事で・・・」
「そうなんだぁ
海外ツアーから戻った
ばかりなのに大変だね」
柊雨は、繭子に少しだけ
微笑んでみせた。
「なぎ、それじゃ
元気な顔が見れて
ほっとしたよ
また、来る・・・」
「はい・・・」
二人の後姿が病室を出て行く。
病室のベッドに、一人きり。
柊雨のサングラスが机に
置き忘れていることに
気がつき、私は見つめる。
貴方の声が・・・耳に残る。
『なぎ、ごめん
お前を苦しめるつもりは
ないんだ』
柊雨さんは私の方を見る事は
なく、沈黙は続き、病棟内に
面会の終わりの時間を告げる
放送が流れる。
「しゅうちゃん
そろそろ行きましょうか?」
「・・・そうだね」
帰る支度を始める柊雨は
暗い赴きで深く帽子を被る。
「なっちゃん
明日は、お姉ちゃん
会社に顔を出してから来るから
いつもよりも少し遅いけど
待っててね」
「うん」
「しゅうちゃんは、明日は
いつ頃、来れそう?」
繭子の問いかけに、柊雨の
顔が暗くなる。
「俺、明日は、無理かも
・・・
急の仕事で・・・」
「そうなんだぁ
海外ツアーから戻った
ばかりなのに大変だね」
柊雨は、繭子に少しだけ
微笑んでみせた。
「なぎ、それじゃ
元気な顔が見れて
ほっとしたよ
また、来る・・・」
「はい・・・」
二人の後姿が病室を出て行く。
病室のベッドに、一人きり。
柊雨のサングラスが机に
置き忘れていることに
気がつき、私は見つめる。
貴方の声が・・・耳に残る。
『なぎ、ごめん
お前を苦しめるつもりは
ないんだ』