眠る心
凪子の唇をそっと
柊雨は自分の手で塞ぐ。

「何も言わなくていいよ
 
 お前は悪くない」

凪子の感情とは別に瞳から
涙が流れ、その涙を柊雨が拭う

「なぎ、泣かないで」

貴方は私を強く抱きしめて
優しく頭を撫でてくれる。
    
貴方の腕の中

戸惑う私以外にもう一人

心から満ち足りる私がいる。

この腕の心地よさを私・・・

知ってる・・・?

『もう少し

 このままでいて
 
 お願い』

私は以前・・・

貴方の腕に抱かれた事がある?

その姿を遠くから見つめる
紫季の姿があった。

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